2026年度税制改正大綱                       貸付用不動産及び不動産小口化商品の財産評価方法の見直し

資産家

最近、「不動産を使った相続税対策が厳しくなる」と聞いたんですが、具体的に何が変わるんですか?

はい。今回の改正は、貸付用不動産の評価方法の見直しがポイントです。
これまで、アパートやマンションを使って相続税を大幅に圧縮するケースが多く見られました。

資産家

評価額を下げる、いわゆる節税ですね。

その通りです。
貸付用不動産は、市場価格(実勢価格)よりも、財産評価基本通達による評価額の方が低くなることが多いですよね。この「乖離」を利用した節税が問題視されてきました。

資産家

でも、それは通達に沿った正当な評価じゃないんですか?

そこが難しいところでして。
これまでも、あまりに不自然な場合には、国税庁が個別に時価評価を指示することがありました。

資産家

ただ、それって後出しじゃんけんみたいで不安ですよね。

まさにその点が問題でした。
「いつ否認されるのか分からない」という納税者の予測可能性の低さが批判されていたんです。

資産家

それで、制度自体を見直すことになった、と。

はい。
今回の改正では、予測可能性を確保しつつ、評価の適正化と課税の公平性を図るという建前で、評価方法そのものが見直されます。

目次

駆け込み節税への対応

資産家

特に問題になっているのは、どんなケースなんですか?

典型例は、相続直前にアパートやマンションを取得するケースです。
取得後すぐに相続が起きると、市場価格ではなく、低い通達評価額で評価できてしまいます。

資産家

いわゆる「駆け込み節税」ですね。

そうです。
今回の改正では、取得後一定期間は、従来とは異なる評価方法を適用する方向で見直されます。
つまり、「買った直後に亡くなれば大幅評価減」という仕組みが使いにくくなります。

不動産小口化商品への影響

資産家

私が気になっているのは、不動産小口化商品です。
あれも影響ありますか?

大きくあります。
特に、信託型任意組合型に関わらず不動産小口化商品は、今回の改正で明確に対象になっています。

資産家

これまでは、実物不動産と同じ評価ができましたよね?

はい。しかし改正後は、
取得時期や保有期間に関係なく、原則として市場価格(取引価額)で評価される方向です。

資産家

ということは、評価減がほとんど効かなくなる?

その理解でほぼ正しいです。
従来期待されていた相続税・贈与税の圧縮効果は大幅に縮小する見通しです。

今後の影響

資産家

結局、不動産を使った相続対策はもう意味がないんでしょうか?

「意味がない」わけではありませんが、
短期・評価差狙いの節税スキームは明確に封じられると考えた方がよいです。

資産家

なるほど。これからは?

今後は、
・長期保有を前提とした不動産活用
・収益性や事業性を重視した設計
・不動産以外の資産との組み合わせ
といった、本質的な相続・資産承継対策がより重要になります。

資産家

「買えば下がる」時代は終わり、ということですね。

まさにその通りです。
制度改正を前提に、戦略を組み直す必要があります。

改正案

種類現行の評価方法改正案の評価方法取得時期
自己使用不動産土地:路線価評価
建物:固定資産税評価額
土地:路線価評価
建物:固定資産税評価額
貸付用不動産土地:路線価評価
建物:固定資産税評価額
土地:取得価額の80%程度
建物:取得価額の80%程度
相続、贈与前5年以内取得
不動産小口化商品土地:路線価評価
建物:固定資産税評価額
土地:通常の取引価額取得時期に関わらず

※適用開始時期:2027年1月1日以後の相続・贈与 

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