4.キャッシュフロー管理の見直し

 

前回の話

 

その売掛金の削減、つまり売掛比率の改善は、キャッシュフロー管理全体に大きな意味を持たせ始めました。

 

それはA社の社長のマネジメント感覚がキャッシュ管理的になってきたということです。

 

実は、融資を受ける際に、金融機関から融資を引き出す方策のみならず、企業が無理な借入をしないためにも、この《キャッシュ管理感覚》は重要な役割を果たすのです。

 

実際にA社の事例を見ておきましょう。

 

(1)   一つの具体的視点が意味のあるキャッシュフロー管理を呼び覚ます!

売掛比率改善対策は、徐々に本格的なキャッシュフロー管理に発展して行きました。

 

それはたとえば、《売掛金の割合をどこまで減らせば、毎年五~十パーセント売上げ拡大をしても資金が不足しないか》などということを把握するマネジメント視点を生み出すからです。

 

その計算過程で、受注を一定以上に増やせば、売掛比率を大幅に下げなくても、資金はそれほど不足しないことが分かったのです。

 

変な話ではありません。

 

人件費が固定費である中で、生産性が上がって収入が増えれば、それは当然のことでしょう。

 

その時、『おお、最適受注額が分かった!』などと喜びながら、社長はこうも言われたのです。

 

『まあ、すべてが見込みどおりに行くとは限らなくても、金融機関からの借り入れは、五千万円ではなく二千万円程度で十分なようだ。売上げの伸びが三パーセントで、受注額の三分の一は、受注時に前金として半額を入金してもらえれば、キャッシュはそんなに逼迫しない』と言うわけです。

 

でも用心して三千万円程度は欲しいけれど…』ということです。